「ブラザー×コメダ」異色の社長対談・後編 なぜ“海外経験”のある人が社長になるのか (4/5ページ)

 【臼井】かつては「嫁入り道具」で、私の母親も使っていました。

 【小池】直営店や特約店を合わせて、日本全国に1500店ほど展開し、約2万人のスタッフがいた。毎月数千円を積み立てて、一定額になればミシンが手に入る--。前金なので運転資金の借り入れもしなくてよく、戦後から高度成長時代まではうまくいったビジネスです。でも日本人の生活が豊かになり、既製服も増え、キャッシュで商品を買える時代になると厳しくなった。そうした端境期に入社した私は、会社の業態転換も自ら体験しました。

 【臼井】小池さんの奮闘もあり、米州事業が成長して業態転換も果たされました。

 【小池】会社って、急に明日から悪くなるわけではなく、3年、4年とジワジワ悪くなっていく。今のプリンター事業もそうです。現時点では主力事業ですが、年々、消費者は紙に印刷しなくなっている。そうなるとインクやトナーの消耗品も売れなくなるので、4~5年前から社内で危機感をあおり、技術や販売チャネルが共通する会社のM&A(買収)も行いました。新規事業の育成と合わせて、次の業態転換を図っているところです。

 【臼井】技術や販売チャネルの延長、そしてM&Aも行い、勝てる道を探るわけですね。

 課長になれない人、役員になる人

 --最後に、人材登用についてお聞きします。出世したい・したくないは個人の価値観もありますが、「課長になれない人」や「役員になる人」の違いは何だと思いますか。

 【臼井】「能力」よりも「意識」の問題が大きい。どんな人でも意識が変われば、課長も部長も、努力すれば社長にだってなれます。ただ「出世」の基準が昔とは変わり、同じ会社で昇格する"出世"もあれば、独立起業して経営者になる“出世”、好きなことを仕事にしてワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)をめざす"出世"もあるでしょう。

「他人と同じことをしていては勝てない」