増える「インスタ映え家電」 「普通のホットプレート」が大ヒットした理由 (2/2ページ)

ブルーノ「コンパクトホットプレート」(赤)
ブルーノ「コンパクトホットプレート」(赤)【拡大】

  • 「ブルーノ」を手掛けるイデアインターナショナルの小出早紀さん(左)と武本麻梨絵さん
  • ブルーノ「コンパクトホットプレート」(中央赤)

◆「インスタ映え」で人気後押し

 「発売当初は“おうちパーティー”が流行っていたので、テーブルを囲んでみんなで調理を楽しめるホットプレートのニーズが高まっていました」と、同じくブルーノのプロモーションを担当する武本麻梨絵さんは、人気に火が注いた背景には「ホームパーティー需要」があったと指摘する。

 「さらに、当時はバルスタイルの飲食店があちこちにオープンした時期だったので、ホットプレートごとテーブルに出す『パエリア』や、付属のたこ焼きプレートで作る『アヒージョ』といった新たな活用法を提案したことが時流にマッチしました」(武本さん)

 さらに人気を後押ししたのがインスタグラムだ。ホットプレート発売当初の14年頃はインスタグラムの認知度はまだ高くなかったが、一年後の15年6月には国内月間ユーザー数が810万に倍増。以降、16年3月には1200万、12月には1600万、17年10月には2000万と加速度的に普及した。

 またインスタグラム上で「料理」の投稿も増えている。インスタグラムを傘下に持つフェイスブックによると、日本で人気の投稿ジャンルの5位に「料理」がランクインしており、15年から17年にかけて料理関連のコンテンツが53%増加した。

 「2年ほど前からインスタグラムでの反響が大きくなりました。私たちの知らないうちに、ホットプレートで作った料理の写真を投稿される方が多数いて、何人もの方がブルーノのハッシュタグをつけて『今日はこんな料理を作った』と紹介してくれています。ホットプレートも16年3月以降は3カ月おきに10万台売れていて、偶然ながらインスタグラムと一緒に成長しました」(小出さん)

 マーケティングリサーチ会社のGfKジャパン(東京都)によると、16年の家電小売市場規模は前年比1.5%減の7兆円となった。薄型テレビやパソコンなどが低迷した一方、オーブントースターやドライヤーなどの小型生活家電が成長した。成熟市場の停滞感を打破すべく、「インスタ映え家電」が業界の“デザイン革命”を起こせるか注目だ。(SankeiBiz 久住梨子)