「aiwa」ブランド復活期す 10年ぶりにラジカセ・TV発売 海外も視野 (1/2ページ)

復活させたアイワブランドの液晶テレビやレコードプレーヤーなどをアピールする三井知則社長=東京都品川区
復活させたアイワブランドの液晶テレビやレコードプレーヤーなどをアピールする三井知則社長=東京都品川区【拡大】

 かつて世界の音楽好きの若者たちを熱狂させたオーディオ機器ブランド「aiwa(アイワ)」が約10年ぶりに復活し、ラジオ付きカセットレコーダー(ラジカセ)などが家電量販店に並び始めた。新会社のアイワ(東京)が、ソニーから商標使用権を取得して2月で丸1年。高い知名度と手頃な価格を武器にアイワブランドの完全復活を期す。

 1951年設立の旧アイワは日本で初めてラジカセを発売。80年に売り出したヘッドホンステレオ「カセットボーイ」が大ヒットし、AV機器では屈指のブランド力を誇った。だが、バブル崩壊後はデジタル化に乗り遅れ、業績が急速に悪化。2002年にはソニーに吸収合併されて会社が消滅、08年にはソニーブランドとのすみ分けが難しくなったとして、ブランドまで消えた。

 その休眠状態となったアイワブランドに着目したのが秋田県の十和田オーディオだ。

 もともとソニーの小型ラジオの生産を一手に引き受けていた電子機器の受託製造サービス(EMS)で、好調時には中国広東省の工場で約7000人の従業員が働いていた。

 ところが、不振に陥ったソニーからの受注が激減したため、十和田オーディオは生き残りをかけて自社ブランドを持ちたいと考えた。知名度が高いのに塩漬けにされていたアイワのブランドをソニーから譲り受け、昨年4月に新会社のアイワを設立した。

旧アイワ出身で音質に詳しいベテラン技術者も在籍するが…