シンジムンとは「煎じたもの」を意味する沖縄の方言で、滋養強壮や薬用目的で素材を長時間煮込む。この調理法を応用した「発酵シンジ製法」を琉球大学との共同研究により確立。化学薬品や有機溶媒などを使わず発酵させた果皮を、絞った果汁で煎じることでヘスペリジン含有量を2.5倍に濃縮した。
稲福氏は「シークヮーサーの果皮は捨てていた。それを原料として有効利用するとともに、果汁の用途を広げたことで生産者の利益向上につながる」という。18年度は自社商品に、OEM(相手先ブランドによる生産)、原料販売で5000万円程度の売り上げを目指す。
強い生命力に注目
「目や鼻の不快感を軽減する機能」で、16年8月に沖縄県初の機能性表示食品として消費者庁から受理された「宮古BP」「宮古ドリンク」。
主原料のハーブ「宮古ビデンス・ピローサ(BP)」の強い生命力に武蔵野免疫研究所(東京都新宿区)が注目。沖縄県宮古島に拠点を置き、BPの研究・開発・加工に取り組む一方で、抗炎症・抗酸化・抗アレルギー作用について多くの大学や研究機関と共同研究に着手。効果が明らかになったBPのエキスを活用した健康食品を商品化した。