
重粒子線治療装置の契約締結式に出席した東芝の綱川智社長(後列左)ら=29日、韓国・ソウル【拡大】
東芝は2015年に発覚した不正会計問題で悪化した財務を改善するため、医療機器事業をキヤノンに売却したが、原子力事業と技術を共有する粒子線治療事業は本体に残し、技術開発を継続してきた。事業を手放さなかったのは海外を中心に受注が見込めることも理由の一つ。先端技術である粒子線治療装置は現在、世界70施設で稼働するが、今後は先進国に加え、中国など新興国でも需要が拡大し、年10施設規模の新設が予想される。
1基100億円前後もする大型設備だけに導入できる病院は限られ、国内では普及が一巡。国内受注が3施設にとどまる東芝にとって、成長には海外での受注が欠かせない。一方、世界では欧米企業の力が強く、日立製作所も昨年末に三菱電機の粒子線治療装置事業の買収を決めるなど競争が激化。一段の小型化、低コスト化の技術開発が受注競争を勝ち抜く鍵を握る。