JDIの業績不振は、スマートフォン向けパネルで液晶から次世代の有機ELへの転換が進み、主力の液晶の受注が大幅に減少したためだ。昨年8月に公表した再建計画では、有機ELシフトと他社との資本提携を掲げた。JDIのスマホ向け有機ELは試作段階だが、量産に向けた資金を自前で賄うのは難しく、提携を通じて調達する必要があった。
中国のパネル大手の京東方科技集団(BOE)や華星光電(CSOT)など数社と交渉を続けてきたが、「有機ELシフトが想定より遅れる見方が広がり、仕切り直しになった」とJDI幹部は明かす。
背景にはスマホ向け有機ELパネルの伸び悩みがある。最大顧客の米アップルは17年に「iPhone」の旗艦モデルに有機ELを採用したが、10万円超の高価格がネックになり販売は想定通りに伸びていない。
このためJDIはファンドなどから出資を受けて財務を改善する戦略に転換した。足元では液晶の受注も回復、増産に向けた資金の手当ても必要だった。しかし先行きはデザイン自由度の高い有機ELシフトが進むとの見方は変わらず、「資本提携の交渉も改めて進めなければならない」とJDI幹部は語る。