
日立が英国で受注した都市間高速鉄道計画(IEP)の新型車両「クラス800」【拡大】
もっとも、日立も15年にはイタリアの鉄道車両メーカーのアンサルドブレダを買収し、鉄道信号大手のアンサルドSTSも連結子会社に加えた。20年前半に売上高1兆円を達成する計画だ。それでもライバルの背中は遠い。巨大連合が規模拡大を生かして価格攻勢をしかければ、世界各地での受注競争で太刀打ちできなくなる懸念がある。
中西会長は「トータルサービスという見方で戦略を練れば、勝ちシナリオは出てくるはずだ」と強調する。
大型受注狙う
例えば、日立は駅に設置したセンサーで乗客数を分析し、増減に応じて運行本数を自動で決めるシステムを開発した。デンマークで実証実験を始め、各国に売り込む方針だ。得意のITを使った運行管理や保守システムは巨大連合と比べても日立に強みがあり、こうした技術を売りに車両も含めた大型プロジェクトの受注を狙う。