日立、世界的な企業再編加速に対抗 鉄道事業・サービス重点、M&Aで業容拡大を追求 (3/3ページ)

日立が英国で受注した都市間高速鉄道計画(IEP)の新型車両「クラス800」
日立が英国で受注した都市間高速鉄道計画(IEP)の新型車両「クラス800」【拡大】

 「戦略的買収はまだステップ1が終わったくらい」と中西会長は鉄道事業でのM&Aの二の矢、三の矢をほのめかす。重点を置くのは、車両自体の規模拡大よりはむしろ、差別化戦略につながるサービス分野だ。「デジタル化で業界の垣根が低くなっており、このチャンスを捉えなければならない」と語る。

 世界の鉄道市場の規模は13~15年に年平均で12兆1000億円だったが、欧米での車両更新や新興国向けの新車導入が相次ぎ、19~21年には14兆6000億円に拡大する見通しだ。

 成長市場で規模拡大を狙った再編が加速する中、車両のシェア追求とは一線を画す日立の新たなM&A戦略の次の一手が注目される。(万福博之)

 ■世界大手メーカーの鉄道事業の規模

  (順位/社名/売上高)

 1/中国中車/約3兆7800億円

 2/シーメンス(ドイツ)/約9500億円

 3/アルストム(フランス)/約8700億円

 4/ボンバルディア(カナダ)/約8400億円

 5/日立製作所/約5000億円

 ※欧州鉄道産業連合(UNIFE)調べ、2016年度実績