今やピークの1割以下 明治以来の「手形」が激減 なぜか電子決済も頭打ち (3/4ページ)

◆商慣習やIT化の立ち遅れがハードルに

 手形や「でんさい」は半年間に2回の不渡り(決済不履行)を起こすと取引停止処分のペナルティが科され、事実上の倒産に追い込まれる。大手企業を中心に手形離れが定着し、中小企業でも手形決済が減少し、現金決済が広がっている。

 現金決済はペナルティがなく、支払不履行は当事者間の事情にとどまる。こうした事を背景に、現金決済の広がりは手形取引の基本ルールであるペナルティを避ける動きと重なる部分もあるかもしれない。

 手形交換高は減少し、でんさい額は年々伸びを見せている。だが、依然として手形交換高とでんさい額には25.0倍の開きがある。さらに、「でんさい」自体の利用者登録数の伸びも鈍化している。

 「でんさい」の伸びない背景には、取引先との商慣習や中小・零細企業で経理事務のIT化が遅れていることも要因として考えられる。

◆キャッシュレスや仮想通貨の影響も気になる

 激減したとはいえ手形交換高は374兆円にのぼり、今でも手形が中小企業の資金繰りに重要なことは変わらない。

 政府は2016年12月、下請事業者の保護を目的に「下請代金支払遅延等防止法」の運用基準や「下請中小企業振興法」の振興基準を改正した。支払決済の現金化や手形期日の短縮(60日以内)、手形割引料を支払元が負担するなど、これまでになかった下請中小事業者の取引条件改善を盛り込んでいる。

キャッシュレスや仮想通貨も影響か