【シリーズ エネルギーを考える】持続可能な社会実現への政策が重要 常葉大学・山本隆三教授 (1/4ページ)

常葉大学経営学部教授・山本隆三さん
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 電気代は給料にも影響する

 -東日本大震災以降、原子力発電の停止に伴う火力発電燃料費の負担増や再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の賦課金によって電気料金が高くなりました。しかし、日本人の多くは電気料金が上がっていることにあまり関心がないようです

 「どこの国でも同じですが、電気料金は使ったら支払うしかありません。家庭用の電気は値段交渉もできませんし、電気代に関心がないのは日本だけでなく、世界のどの国でも同じです。ドイツでは再エネ比率が3割を超え、FITの賦課金は標準家庭で月約3000円、年間では3万5000円程度になっていますが、マスコミが実施した賦課金額の認知を問うアンケートでは、ドイツ人のほとんどが『知らない』と答えています。しかし、電気料金の値上げはいろんなところに影響を及ぼしています。原油高のときは高騰する電気代のために経営が成り立たなくなった中小企業もあったように、経済には大きな影響を与えます」

 -国民生活にはどのような影響があるのでしょうか

 「一般の人は気づいていないようですが、実は私たちの給料にも電気料金が影響している部分があります。経産省の工業統計を見ると、製造業の電気料金負担額は15年で年間約4兆4000億円です。震災前は3兆2000億円程度でしたので、その4割近くの1兆2000億円も増加しました。同じ統計で製造業の人件費は27兆~28兆円ですから、電気料金増加分である1兆2000億円は人件費全体の約4%に相当します。震災後に電気料金が上がっていなければ、その分を賃金引き上げに回せた可能性があるのです。電気代が上がることは、働いている人の給料にも影響するということです」

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