【シリーズ エネルギーを考える】持続可能な社会実現への政策が重要 常葉大学・山本隆三教授 (2/4ページ)

常葉大学経営学部教授・山本隆三さん
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 -日本の平均給与は今も20年前の水準を下回っています

 「平均給与のピークは1997年の年間467万円で、それ以降は若干戻す年はあっても徐々に下がっていました。それが安倍政権発足後の13年からは、97年以降の『失われた20年』といわれる期間で初めて4年連続で上がりました。非常に大きな経済効果がありますが、それでも16年で422万円とピークを1割程度下回っています。また、厚労省の国民生活基礎調査では『生活が大変苦しい』という世帯が13年に3割近くに達していたのに対し、16年には2割強に下がり、『生活にゆとりがある』とする世帯は増えています。いずれもアベノミクス効果ですが、その足を引っ張る可能性があるのが電気料金です。電気料金は14年後半からの原油価格下落によって、値上げ要因となる燃料費負担は、震災直後と比べると低くなっていても、現在でも電気料金は産業用で15%、家庭用で10%上がったままです。その理由は再エネ賦課金が増えているからで、今後は賦課金が経済の足を引っ張ることを懸念しています」

 さらに増える再エネ負担

 -政府はFITを見直し、賦課金の抑制に動いています

 「政府は17年4月に改正FIT法を施行しましたが、今後も賦課金負担が増えるのは間違いありません。18年度の買い取り費用は約3兆円で、そのうち約2兆3000億円が国民負担(賦課金)となる見込みです。これに対し政府は30年度の買い取り費用を4兆円、国民負担を3兆円と想定しています。30年度の再エネ比率で政府目標の22~24%を達成するには、大規模水力の開発余地がほとんどないため太陽光などFIT対象の再エネを2倍に増やす必要があります。17年度の日本の賦課金負担は標準家庭で月800円程度、年1万円程度ですが、今後はさらに負担が増えると思います。1番の問題は、電気は生活必需品ですから、賦課金の上昇は低所得者層への負担がより大きくなる、逆進性が高いことです」

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