【北海道発 輝く】西野製作所 寒冷地仕様のEV開発、地域の足確保を (1/5ページ)

 寒冷地で積雪が多い北海道で、冬でも間単に走行できる寒冷地仕様の1人乗りコンパクト電気自動車(EV)「ネイクル・タイプ2」の試験的な販売が6月に始まった。今月には2号車が納車される。中小企業基盤整備機構(中小機構)北海道本部を中心に、道内のものづくり中小企業10社が集まってコンソーシアムを組み、製作された小型EVだ。主要部品の加工を担当したのが西野製作所だ。西野義人社長は、「自社の加工技術によってEVの製造がどこまでできるか挑戦した。1号車は夢を形に、2号車はビジネスにつなげ、3号機は実用性を目指している」と話す。

中小機構や西野製作所など道内中小企業10社が開発した、ネイクル・タイプ2(右)と同タイプ3

中小機構や西野製作所など道内中小企業10社が開発した、ネイクル・タイプ2(右)と同タイプ3

 冬期間でも安全走行

 同社は、室蘭市で金属部品の機械加工から表面改質加工まで手作業で、溶接、切削から研磨、メッキ(表面処理)など仕上げ加工まで一貫して行っている。傷んだ部品をリユース(再利用)して機械を長持ちさせ、コスト低減や廃棄物削減につなげるなど、ユーザーに環境面で優しい提案をしている。

 道内中小企業10社の英知を集結した寒冷地仕様のEV開発プロジェクトのきっかけは、2014年に札幌ドーム(札幌市豊平区)で開かれた北海道モーターショーにさかのぼる。トヨタ自動車出身の高田坦央・中小機構理事長が、トヨタ自動車北海道(苫小牧市)の田中義克社長(当時)に「北海道に適したEVができないか」と相談したのが始まりだ。

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