
技術系企業幹部の各国給与水準【拡大】
不足するのは経営層にとどまらない。転職を前向きに捉える30~40代が増えたこともあり、プロフェッショナルバンクが手掛けたヘッドハンティングの件数は、ここ3年で2.2倍に伸びた。
日本では技術的な知見と企業経営の経験を併せ持つ人材がまだ限られる。CTO・CIOの給与水準を日米中など8カ国で比較した民間調査によると、2018年の見込み額は日本が5000万円と最も高かった。3000万円台のシンガポールや米国、中国をしのぎ「適正相場を大きく上回るケースも目立つ」(現役ヘッドハンター)という。
外部人材頼みには、企業内の人材育成力の低下につながりかねない弊害もある。古田氏は「生え抜き人材のやる気をそぐ恐れもある」と警鐘を鳴らした。