【キャッシュレス革命(3)】普及18%…出遅れる日本 個人情報漏洩リスクなど背景 (3/4ページ)

アリペイで買い物の決済をする観光客=東京・秋葉原の「ラオックス秋葉原本店」(斎藤良雄撮影)
アリペイで買い物の決済をする観光客=東京・秋葉原の「ラオックス秋葉原本店」(斎藤良雄撮影)【拡大】

 スマートフォンが登場する前の従来型携帯電話(ガラケー)で急速に普及した「おサイフケータイ」もガラパゴス化した。店頭端末に携帯電話をかざすだけで買い物ができるサービスは斬新だったが、スマホ普及に伴って日本のガラケーは劣勢に。仕組み自体はスマホにも搭載されたものの、モバイル決済(ガラケーやスマホによる電子決済)の牽引(けんいん)役にはなれなかった。

 根強い“現金信仰”

 イオングループのビルメンテナンス会社イオンディライトの前上海駐在員の四方基之(しかたもとゆき)は今年4月、関西国際空港で一人青ざめた。大阪市の本社へ出張したのに、上海に財布を忘れてきたからだ。

 思えば過去1年、財布というものを触ったことがなかった。中国ではアリペイなどのスマホ決済で露店での買い物もできるからだ。米IT大手アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」向け電子決済サービス「アップルペイ」で電車に乗れたので本社には無事たどり着けたものの、「あの焦燥感は忘れられない」。

 国内にいると意識できないが、決済手段のガラパゴス化はこの数年で急速に進んだ。

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