【日本発!起業家の挑戦】ブルーイノベーション 室内自律飛行ドローンで世界目指す (1/4ページ)

ドローンのユニークな活用で海外メディアから大きな注目を集めている熊田貴之氏
ドローンのユニークな活用で海外メディアから大きな注目を集めている熊田貴之氏【拡大】

 □ブルーイノベーション社長・熊田貴之氏に聞く ブルーイノベーション(東京都文京区)は昨年、ドローン(小型無人機)を使ったオフィス内巡回・残業抑制システム「T-FREND」構想を発表し、特に海外メディアから大きな注目を集めた。しかし、実は、T-FRENDは同社の持つ技術のごく一部に過ぎない。同社の事業範囲は広く、世間の注目という点ではそれに劣るかもしれないが、もっと広く重要な領域においてその影響力を増している。

 熊田貴之社長に、防災事業を展開していたアイコムネット(前社名)時代について、またそもそも同社がなぜドローン事業にかじを切ったのかについて話を聞いた。話題は日本と世界におけるドローンの未来、ドローン産業界のさらなる成長を抑制している原因は何なのかにも及んだ。業界が非常に特殊かつ利益の見込めるニッチに力を入れざるを得なくなったのは、日本政府のドローン飛行取り締まり強化だったのかもしれない。その理由も掘り下げる。

 地下トンネルを点検

 --ブルーイノベーションの事業説明に『ドローン・インテグレーター』という言葉を使うことが多いですね。その意味を教えてください

 「ここで言うインテグレーターとは、特定の課題を解決するために、ハードウエアとソフトウエアを引き合わせ、あるいは両者を結びつける人のことです。僕たちはドローンを作るメーカーではありませんし、消費者向けの製品も持っていません。異なる業界のさまざまな法人顧客をターゲットに、ドローンを使って彼らの課題を解決するのが仕事です。インフラ整備からメーカーとの機体共同開発までさまざまな側面から支援して課題解決を実現します」

 --創業当初はドローンとはまったく関係のない事業を営んでいた

 「そうです。1999年に創業した前身のアイコムネットでは、大学院での研究を生かして海岸侵食に関する調査や津波対策などの海岸コンサルティング事業、防災環境事業をおこなっていました」

 --大切な事業ですね。ドローン事業に軸足を移したきっかけは

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