中食の拡大が脅威に
こうした若者向けにSNS上の「バズり」を狙ったマーケティング自体は、他の菓子メーカーでも決して珍しくない。湖池屋も以前、「苺のショートケーキ味」など珍フレーバーのポテトチップスを発売して話題を呼んだ。
ただ、今回求められているのは、かつて奇抜なテレビCMで若年層に強い印象を植え付けてきたスコーンが、今の若者にも親しまれるようにする地道で長期的なイメージ戦略だ。
特に、内田さんはスコーンのライバルはポテトチップスですらないとみる。「コンビニの袋入りスナックの棚はどんどん狭くなっている。ホットスナックをはじめ中食のジャンルが伸びており、間食にお菓子が選ばれにくくなっているからだ。若者のスナック離れが起きている」(内田さん)。
湖池屋は社名変更した16年、キリングループで長く商品開発を手掛けた佐藤章氏を社長に迎えて商品やマーケティング戦略を一新してきた。既に高級路線のポテトチップス「KOIKEYA PRIDE POTATO」などで成功を収めつつある。「若者のスナック離れ」の状況を逆に伸びしろと捉えて全面刷新することで、新規ユーザーの開拓につなげられるか。