企業数、特許出願件数に占める中小企業の割合【拡大】
全面対決の危機
染料や顔料を製造するオリエント化学工業(大阪市)は、今や「特許大国」に成長した中国の企業と、全面対決の危機に直面したことがある。
コピーなどのトナーの帯電を制御する化合物について日本で特許を取得していたにもかかわらず、同じような製品を中国企業が日本で販売するという情報が入ったため、すぐに「それは日本では販売できない」と警告。
しかし、中国企業は「化学式が異なるので問題はない」と無視し、日本で模倣品を売り出しただけでなく、米国でも低価格で販売する行動に出た。
化学式はほとんど同じものだったが、それを中小企業が証明するのは容易ではない。オリエント化学は係争などは起こさず、新たな商品開発に乗り出すしかなかった。
ある関係者は「この中国企業は日本で特許情報を入手し、類似品を作った可能性が高い」と指摘する。非合法による中国の“パクリ品”を、日本の中小企業は黙認するしかなかったのだ。