国境を越える特許トラブルに直面したオリエント化学は、海外にも目を配るようになったが、書類の翻訳などが必要な海外出願は国内出願よりも費用が高い。
同社知財室の松原貞彦室長は「煩雑な書類の準備などを、もう少し簡単にしてほしい」と注文をつける。ある中小企業の幹部も「複数の国で共通して特許を取得できる制度を整えてほしい」と訴える。
2002年2月、小泉純一郎首相(当時)が「知的財産立国」を掲げ、その後、日本は米国に次ぐ特許大国に成長した。しかし、経済のグローバル化とともに知財戦略に未熟な中小企業の苦悩は深まるばかりだ。