「巨大地震」なぜ起きる? 地球最大はM10の恐れも (4/4ページ)

2013.4.14 15:00

 全容解明に数十年

 最大規模の巨大地震を探る研究も進んでいる。国は南海トラフでM9・1の被害想定を公表したが、東北大の松沢暢教授(地震学)は地球で起こり得る最大の地震をM10と試算し、震源断層を推定した。

 例えば日本海溝から千島・カムチャツカ海溝にかけての約3千キロの断層が一気に60メートル滑ると、大震災の約30倍のエネルギーを持つM10が起きる。可能性は非常に低いが、松沢教授は「起きないとは言い切れない。M10の揺れや津波の規模を把握することも必要ではないか」と問題提起する。

 巨大地震の研究が本格化したのは最近のことで、その正体はまだ不明瞭だ。専門家は「全容解明に数十年はかかる」と話す。防災上、どこまで想定すべきかという課題もあるが、幅広いデータを収集し、定説にとらわれず多様な観点から検証を重ねなければならない。

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