「ふくしま未来」に併設するため、福島県いわき市の小名浜港に向けて曳航(えいこう)される浮体式の変電所=7月13日、横浜市鶴見区扇島沖(福島洋上風力コンソーシアム提供)【拡大】
再生可能エネルギーは、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の戦略分野の一つ。この発電所は、原発1基分に当たる約100万キロワットに拡張する計画で、百数十本の巨大風車が海に浮かぶ光景は、復興の象徴であると同時に成長戦略としての期待も大きい。
再生可能エネルギーの本命といわれる洋上風力。建設コストは陸上の約2倍だが、騒音や土地の制約がなく、強い風と大型風車で発電効率を上げられる海洋国家・日本の切り札だ。
20年の世界の洋上風力の市場規模は、現在の約28倍の5兆7000億円規模と予想される。先行する欧州は、遠浅の地形を生かし海底に風車を建てる着床式が主流。しかし、深い海を持つ日本は、海底の錨(いかり)に係留チェーン(鎖)をつなげ、風車を固定する浮体式で世界市場に挑む。
プロジェクトで浮体部分の開発と製造を手掛けた三井造船は異例の約半年で完成にこぎつけた。指揮をとった今北明彦・事業開発部長は「納期まで非常に短く、手探りで走る状態だった」と振り返る。