衆院財務金融委員会で自民党の御法川信英氏の質問に対する答弁に臨むみずほ銀行の佐藤康博頭取=13日午前、国会・衆院第15委員室(酒巻俊介撮影)【拡大】
問題が発覚したみずほ銀では、「取引にふさわしくない先を排除し、不良債権やトラブル発生を未然に防ぐ」のを目的に、詐欺などの金融犯罪も含めたより幅広い情報を独自に収集し、データベースを構築。仕組みとしては「充実したチェック体制」を取っていた。にもかかわらず、なぜ反社勢力に融資してしまったのか。
佐藤頭取は13日の国会審議で、取引開始時は「排除を徹底しているので(反社勢力は)入らない」と明言。だが、取引開始後に融資先企業に反社勢力が加わったことが、新たな情報で判明した例があるとした。国部頭取も「入り口で反社的勢力でなくとも、その後認定されることもある。大変センシティブな問題」と対応の難しさを強調した。
実際、業務改善命令で発覚したみずほ銀の提携ローンの反社取引230件のうち、警察が最終的に認定した組員融資は現時点では1件のみ。金融機関が反社勢力との取引を解消する「暴力団排除条項」を導入したのは数年前で、導入前の取引解消には、反社勢力である客観的な証拠も必要で、現実には難しい。