関西からの企業流出が続くことで、関西財界銘柄が減少するなか、経済団体はトップ交代などで苦労することが増えた。関西を地盤にして、引き続き関西財界を支えてくれる企業は貴重な存在で、大事にしたいとの感情が見え隠れする。同時に、厳しい批判の声や再発防止策に関する議論が大きくは出てこないことに、財界の活力や指導力の低下を指摘する声もある。
ただ、虚偽表示問題が思わぬ拡大をみせたように先行きは予断を許さない。別の財界関係者は「どの程度悪質だったかによる。今後の展開次第で悪質な事例や刑事罰に問われる事例が出てくれば、どうなるかは分からない」と予測している。
経済団体のトップ人事を中心に財界活動は「人が命」といわれる。会員企業の活動停止、企業首脳の辞任が人事の歯車を狂わすケースは多い。いずれにしても経済団体の主要プレーヤーを輩出することが期待される名門企業の足元で起きた今回の問題が関西財界の今後のあり方も問うているに違いない。