2020年東京五輪の大会組織委員会会長に、森喜朗元首相の就任が決まった。組織委は24日に発足、6年後に向けた準備が本格化する。
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3兆円とも見積もられる東京五輪の経済効果。約3千億円の大会運営費の大半は、民間からの寄付やスポンサー収入に頼ることになり、当初は組織委のトップに財界人の就任が望まれてきた。森元首相もトップ人事について「若い人に」と述べ、組織委では“ご意見番”の顧問会議議長に就く方向で調整も進んでいた。しかし財界からの人選ははかどらず、政界関係者の間では「最後は森さんしかいない」との流れが、12月中旬にはできあがっていたという。
今後は文科相、都知事、JOC会長に組織委会長も加わった四者会議「連絡調整会議」で組織運営の方向性を決める。五輪招致からの流れを知らない新都知事という“異物”も加わるが、政界ににらみの利く森氏の役目は他の3者間の中和か。新都知事への牽制(けんせい)か。いずれにしても四方をうまく収める、日本的な決着といえる。
残念なことに日本のスポーツ界には、12年ロンドン五輪の組織委を率いた元五輪陸上男子金メダリスト、セバスチャン・コー氏のようなカリスマが育っていない。今回のトップ人事からは、森氏という万能の“証文”に頭の上がらないスポーツ界の窮状もみえてくる。(森田景史)