今回の事件も当初、盗難パスポートを使った2人はアジア系の顔とされていたが、マレーシア当局は11日、2人は欧州への不法入国を狙ったイラン人と発表した。しかし、パスポートの名義と本人が異なる搭乗客は、他にも2人いたとの情報もある。
そもそも東南アジアでは、入国時はパスポートのIC部分に記録された写真と見比べるなど厳しいが、出国の際はそこまでしない。
さらに地方空港などでは、入管職員に言われるまま、手数料に10ドル(約1030円)ほど上乗せしたところ手続きが簡素化されたこともある。彼らは汚職ではなく「役職に伴う正当な報酬」という感覚が大きい。
今回の事件の原因究明を待つまでもなく、役人の意識改革を含む保安態勢の抜本的見直しこそが喫緊の課題だろう。(編集委員 宮野弘之)