これまで日本企業は、自社技術の防衛に受け身の姿勢だった。元社員による不正な技術流出を不祥事ととらえ、公表することを尻込みする企業が多かったという。
だが、韓国や中国の企業などとの競争が激化する中で、日本企業もようやく自社技術を守る重要性を意識し始めた。「日本企業の急速な国際競争力の低下は、海外への技術流出も大きな要因」(民間シンクタンク)とも指摘されているからだ。
さらにここ数年、大手電機各社は一斉にリストラを進めている。これで社内の技術者が相次いで海外企業に転職したことも技術流出に危機感を強めた理由の一つだろう。
今回の東芝の事件が発覚したのも、日本から韓国企業に転職した技術者の証言によるものだったという。もはや人材はグローバルに移動しており、それに伴って技術や情報も漏洩する可能性が高まっている。そういう厳しい認識の下で、日本の技術を守る対策を練ることが不可欠だ。
すでに海外諸国は自国企業の技術を守る姿勢を強めている。米国やドイツ、韓国では海外への技術流出に国内よりも厳しい処罰を講じている。これに対し、日本では国内と海外が同じ罰則だ。まずは海外に流出した場合の処罰を重くする必要がある。