トレンド社が想定するPOS端末へのサイバー攻撃【拡大】
トレンド社は今年1~3月、国内のPOS端末のウイルス調査を実施したところ、端末内で顧客が入力したクレジットカードの暗証番号を盗むウイルス数件を検出した。暗証番号はPOS端末への入力と同時に暗号化する仕組みだが、このウイルスは入力のタイミングを監視し、暗号化の直前に暗証番号を抜き取るという。盗まれた情報は、攻撃者のサーバーに自動的に送信される仕組みだった。
国内では顧客情報の流出などの被害は明らかになっていないが、同様のウイルスは欧米などで急増しており、世界では今年1~5月で昨年1年間(22件)の9倍以上の208件も検出されている。
昨年12月には、米大手スーパーチェーン、ターゲットのPOS端末がウイルス感染し、顧客のクレジットカードの暗証番号などが約1億1千万件流出する被害も発生した。専門家は「盗まれた暗証番号が売買されたり、顧客のクレジットカードで勝手に買い物されたりする恐れがある」と指摘する。
トレンド社は「不審なメールに気をつけ、セキュリティー対策ソフトの更新を怠らないようにする必要がある」と注意を呼び掛けている。