--原発に対しては女性の拒絶反応がとくに強いようです。エネルギー問題を女性に正しく理解してもらうためにはどうしたらいいのでしょうか
「スリーマイル島の原発事故後の米国でも、今回の福島後の日本でも、原子力利用についてアンケートすると、男性に比べて女性の方がより慎重という結果が出るそうです。先日、登壇者全員が女性の研究者・技術者という国際原子力シンポジウムにモデレーターとして参加する機会がありました。その時一番印象に残ったのが、フランスの方の発言です。その方は『近所の人に、あなたは原子力関係の方だと聞きました。ごく普通に生活しているあなたを信頼できるから私も原子力が信頼できる気がしてきました-と言われました。情報を伝える人が信頼されているかどうかが大事です』とおっしゃいました。女性を含む一般市民の不安の根っこにあるのは『本当に安全なのか』という漠然とした心配であり、それを一つ一つ解きほぐしていくことが専門家の責務です。何を疑問に思い、心配しているのかというレベルに立って一緒に考えていく。それを何度も繰り返し、その中で納得する人が出てきたら、その人からも自分の言葉で説明してもらうなど、辛抱強く長いプロセスが必要だと思います」(聞き手・神卓己)
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【プロフィル】山下ゆかり
やました・ゆかり 国際基督教大教養卒、筑波大院経営政策科学研究科修士課程修了。1985年日本エネルギー経済研究所入所。マルチ大学研究センターのGERAD(カナダ)客員研究員などを経て、2011年から現職。専門はエネルギー需要モデル、エネルギー需給分析、地球温暖化対策等政策分析、省エネルギー政策分析。総合科学技術会議、エネルギー分野推進戦略プロジェクトチーム委員、原子力委員会核融合専門部会委員、国際エネルギー経済学会(IAEE)理事など内外の公職を歴任。55歳。東京都出身。