新国立競技場整備計画経緯検証委員会で挨拶する下村博文文部科学相=7日午前、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)【拡大】
文科省からコスト削減などの指示を受けたJSCは具体策の検討に着手。3月下旬にはゼネコン側からラグビーW杯に間に合うよう開閉式屋根や可動席などを五輪終了後に後回しにする提案を受け、検討の結果、その案を文科省に報告。4月にはJSCの河野一郎理事長が正式に下村博文文科省に報告した。総工費は最終的にゼネコン案の見積もりを元に、2520億円となった。
見積もり額の開きについて、文科省の担当者は「2本の巨大アーチを付ける新国立の特殊性について、設計側と施行側との評価が異なった結果ではないか」とみている。
一方、文科省とJSCとの間ではこの重要案件に関する情報共有が必ずしも十分ではなかった。
5日の衆院文部科学委員会の質疑で、2月のJSCから文科省への報告をめぐり、河野氏はゼネコン側から総工費が3千億円を超える恐れがあると指摘され「文科省に報告した」と述べたのに対し、下村氏は「2月には報告を受けていない。私が河野氏から聞いたのは4月だった」と指摘。JSCと監督官庁のトップ同士が情報共有できていない実態も浮かび上がった。
文科省幹部は「JSCからの情報が、大臣に上にあげる過程のどこかで滞留していた可能性がある」と指摘。ただ、情報の流れが文書として残っているかは不明で、今後の第三者委による関係者へのヒアリングなどで解明されるか注目される。