分裂前の指定暴力団山口組の組織図【拡大】
別の山口組系幹部は「6代目体制になり、上納金の取り立ては厳しいうえ、事務所にミネラルウオーターや米などを送りつけてきて、『買い取れ』という。個別のシノギ(資金源獲得活動)にも口を挟んでくる」と不満を漏らす。
これまでにも、6代目体制に不満を持った最高幹部らが体制変革を画策したが、実現には至らなかった。警察庁幹部は「6代目体制以来くすぶっていたものが一気に噴出した」と解説する。
組内を事実上、取り仕切ってきた最大の実力者とされる高山若頭は昨年、恐喝事件で実刑が確定して収監されており、権力者不在の隙を突いたとの見方もあるが、「このタイミングでの離脱の意味は不明」(警察庁幹部)という。
一方、山口組が分裂状態に入ったことは、内部だけの問題にはとどまらない。山口組はこれまで、全国の他の暴力団組織とも積極的に交友関係を築いてきたため、山口組執行部と新組織の双方が他団体と連絡を取り合い、「事実上の多数派工作が外部でも進められている状態」(指定暴力団幹部)になっているという。