施工不良による傾きが発覚した横浜市都筑区のマンション前には多くの報道陣が詰めかけていた=15日午後【拡大】
【衝撃事件の核心】
三井不動産グループが販売した横浜市都筑区のマンションが傾いている問題。建物を支えるくいの一部でデータ偽装や施工不具合が明らかになり、くい打ち工事を請け負った大手化学メーカー「旭化成」の子会社「旭化成建材」が手掛けたマンションなど約3000棟の建物にも「疑惑」の目が向けられる事態になった。「はらわたが煮えくりかえる」「なぜ欠陥物件を売ったのか」。有名ブランドに寄せた信頼を裏切られ、怒りをぶちまける住民。傾いた「安心」は取り戻せるのか。(川上朝栄、那須慎一、岩崎雅子)
「三井のブランドで買ったのに」
「傾き」が発覚した14日、マンション周辺には報道各社が殺到し、住民へのインタビューを試みた。エントランス前には警備員が立ちはだかり、敷地内への立ち入りを厳しく制限、騒然とした雰囲気に包まれる場面もあった。
「三井のブランドで買った。データの改竄はあり得ないよね」
70代の住民男性は、吐き捨てるように話した。