2月26日の東芝社長交代会見。左から、西田厚聡会長、新社長に就任する田中久雄副社長、佐々木則夫社長=東京都港区【拡大】
東芝の利益水増し問題で、田中久雄前社長ら歴代3社長がパソコン事業の不正取引を認識しながら虚偽の利益を計上させた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反容疑での刑事告発を視野に調査していることが3日、市場関係者への取材で分かった。
また、監視委は週明けにも、有価証券報告書に虚偽記載があったとして、東芝に過去最高額となる70億円超の課徴金を納付させる行政処分を科すよう、金融庁に勧告する方針だ。
東芝の利益水増し額は税引き前損益で計2248億円。インフラや半導体のほか不採算部門のパソコン事業でも行われていた。監視委は当初、刑事告発に消極的だったが、社会に与えた影響のほか、歴代経営陣が長年、不正の仕組みを理解しながら利益の計上を求め続けた点を重くみて、刑事告発の可否を検討することとした。
東芝が公表した調査委員会の報告書は、海外の生産委託先に部品を納入し、完成したパソコンを買い取る「Buy-Sell取引」で各期末に利益のかさ上げが行われたと指摘。
その上で、この取引に関して田中前社長や西田厚聡、佐々木則夫両元社長は通常の取引では実現不可能な目標を「チャレンジ」と称し、予算達成を強く指示するなど、利益水増しを余儀なくするような状況に部下を追い込み、20年度第2四半期から26年度第3四半期の間、各期末に利益をかさ上げさせたとしている。