東芝の不正会計問題により損害を被ったとして、同社の株主50人が7日、同社と歴代役員5人を相手取り約3億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。代理人を務める「東芝事件株主弁護団」によると、同社の不正会計問題をめぐる集団提訴は初。年内には大阪や福岡でも同様の訴えを起こす方針のほか、来春には2次提訴も予定。最終的な原告数は全国で約1千人になると見込まれる。
原告は東京都などに住む40~80代の男女の株主。被告は、東芝▽西田厚聡、佐々木則夫、田中久雄の歴代3社長▽村岡富美雄、久保誠の両元副社長。
訴状によると、株主らは東芝による有価証券報告書への虚偽記載を知っていれば株を買わなかった以上、株の購入代金が損害に当たるなどと主張している。
弁護団によると、東芝の国内個人株主は三十数万人と推定され、株価下落による損害額は約2500億円に達する見込み。
東芝をめぐっては、長期にわたり利益の水増しを繰り返していたことが発覚。経営トップの圧力が背景にあったとされ、田中前社長ら歴代3社長が引責辞任した。平成21年3月期から26年4~12月期までの利益水増し額は税引き前損益で計2248億円に上る。同社は11月、責任追及のため今回と同じ5人に対し計3億円の損害賠償を求める訴えを同地裁に起こしている。
一方、証券取引等監視委員会は近く同社に70億円超の課徴金を納付させる行政処分を科すよう金融庁に勧告する方針のほか、刑事告発も検討している。
同日、弁護団は東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「訴訟で消費者救済はもちろん、証券市場に対する信頼回復を図りたい」としている。
株主による提訴について、東芝は同日、「訴状を受け取っていないためコメントは控える」とした。