東京電力の元トップらに対する29日の強制起訴で、東電の脱国有化に向けた再建計画に狂いが生じる恐れが出てきた。計画の進捗(しんちょく)について最初の点検が行われる来春には東電への国の関与が弱まり、経営の自由度が高まる見込みもあった。だが、裁判の長期化は必至とみられ、原発再稼働を前提とする計画の先行きに不透明感が漂ってきた。
柏崎刈羽原発(新潟県)では現在、再稼働に向けた新規制基準による審査が終盤にさしかかり、年内に審査結果が出る可能性が高い。その後、再稼働に必要な地元の同意手続きに入る見通しだが、裁判を係争中に県内議論が活発化するかどうかは不透明だ。
さらに4選出馬を表明した泉田裕彦知事はいまなお「福島事故の検証と総括」を求めて再稼働議論を封印。長い裁判を検証と総括の一環とみなして4選を果たせば審査に合格しても地元の同意手続きは遠のく。経営の安定化に不可欠な低コスト電源である原発の再稼働が見通せないと2016年度中を目指す6年ぶりの社債発行もおぼつかない。