
神戸市と介護事業所の説明の違い。事業所側は行政処分の取り消しを求め、近く提訴する準備を進めている【拡大】
市によると、映像の中では、ヘルパー2人は女性を床からベッドにほうり投げるように乱暴に移動させ、女性の右太ももを2、3度小突くなどし、女性の身体が左右に揺れるほど荒々しく着替えを行っていた。女性にけがはなかった。
ヘルパー2人はベテラン
同年9月末、女性の家族が映像を市に持ち込み「虐待ではないか」と訴えたことを受け、市は事業所への調査を開始。同年10~11月に管理者とヘルパーら計13人に聞き取り調査を実施した。
市によると、虐待したとされるヘルパー2人はいずれもベテランで、職場のリーダー格だった。2人は市の聞き取り調査に「手荒く介護し、多数の暴言を吐いた」と認めた上、「もともと、自分でできることをやろうとしない女性にいらだちがあった」と話したとされる。
市は調査の結果、身体に外傷が生じる恐れのある暴行を加え、暴言で心理的外傷を与えたとして、虐待事案と認定した。しかし、行政処分を検討する段階に移行すると、市側と事業所側の「認識」の違いが露呈した。
ここから事態は混迷を深めていく。
市が行政手続法に基づき今年2~5月に事業所側の言い分を聞く聴聞を3回開いたところ、事業所側は代理人弁護士を同伴させて「これは虐待ではない」と繰り返し主張したという。