
東急電鉄が展開中のマナー向上広告「わたしの東急線通学日記」シリーズの『音漏れ篇』【拡大】
とくに、第2弾の「車内化粧篇」(昨年10月)では「都会の女はみんなキレイだ。でも時々みっともないんだ」のメッセージを発信した。これが「公共の場所にプライベートを持ち込む逸脱行為」「粉が飛ぶなど実害がある」「どこがマナー違反かわからない」「女性蔑視だ」など賛否両論が飛び交うきっかけになり、「みっともない」の強い文言も拍車をかけてネットが炎上したほど。主人公が化粧中の女性に向かって「マナーダンス」という振り付けをしながら、という内容も関心を集めた。
第3弾の「整列乗車篇」(同11月)は「大人になると、目指すゴールは空席ですか?」、今年1月の第6弾「音漏れ篇」では「お洒落な人がいた。音漏れがダサかった」を展開。20日からは最終の第8弾「駆け込み乗車篇」もスタートした。鉄道CS課の山田久美課長補佐は「昨年度まではインパクトが薄かった。身近に感じられるストーリー性のある内容にした」という。
化粧を含む車内のマナーについて、「社会的迷惑の心理学」などの著書がある岐阜聖徳学園大の吉田俊和教授(教育心理学)は「大勢の人が不快になっていることへの対策として正当性がある。管理者の一つの『見識』。社会的な使命だ」。また、聖心女子大人間関係学科の菅原健介教授(社会心理学)は「快適な空間を提供しようと管理している以上、正しいこと」としたうえで、「『みっともない』など、言い方は検討すべきだ」と指摘する。