中国で爆発的に普及する「シェア自転車」 “日本上陸”が難航する理由 (2/6ページ)

 筆者は主に中国でモバイクを使っているが、非常に利便性の高いサービスだと感じる。日本でも同様のサービスがあれば、多くの消費者が歓迎するはずだ。たとえば都心における東京駅・銀座・日本橋周辺、大阪の心斎橋・なんば・天王寺周辺の各駅間の徒歩移動はけっこう面倒くさいが、シェアサイクルで動き回れればかなりラクになるだろう。

 ……だが、筆者の期待もむなしく、その後の中国シェアサイクル各社の日本市場での動きは鈍い。10月10日現在、モバイクは札幌でのローンチ以降のニュースがほとんど聞こえてこず、ofoも「公約」したはずの9月中のサービス開始が果たせていない。今回の記事では、中国的イノベーションが日本で二の足を踏む現状と、その背景から垣間見える中国シェアサイクル・ビジネスの真の姿について追っていきたい。

 ofo「サービス開始の結論はまだ」

 「ofoが日本国内で具体的にどのような形で展開するかは、現時点ではお伝えできませんが、10月中にあらためてプレスリリースを出したいと考えています。9月中のサービス開始は難しくなりましたが、10月以降に早期に開始できるよう努力しているところです」

 9下旬、筆者の電話取材にそう回答したのは、ofoの日本側パートナーであるソフトバンクC&Sの広報担当者だ。もっともこの担当者は「東京や大阪で行政と調整中ですが、サービスを開始するかの結論はまだ出ていません」とも述べており、開始までのハードルがまだ高いことを感じさせた。

 もたつきについて、事情を知る別の日本人関係者はこう言う。

 「ソフトバンクの孫正義社長は、ofoに出資する中国IT大手アリババのジャック・マー会長を見出した人物。2人はアリババの創業直後から18年間の付き合いで、極めて信頼関係が強い。ofoの日本進出もこのルートから話がはじまったようだ。日本国内ですでにテストサービスを開始したライバルのモバイクとの競合もあって、ofo側は早期にサービスをはじめたいようなのだが……」

 だが、ofoのあせりにもかかわらず、行政側との調整には時間がかかっている。その間、日本のテレビ番組では、中国でシェアサイクルが流行した結果、放置自転車問題が浮上していることがたびたび報じられている。

 「放置自転車問題については、日本の弊社側で対策を考えていく方針です」(ソフトバンクC&S)

「お膝元」福岡でサービスがはじまらないモバイク