中国で爆発的に普及する「シェア自転車」 “日本上陸”が難航する理由 (4/6ページ)

 福岡市はモバイクからサービス開始の働きかけがあったことは認めたものの、6月の記者会見についてこう説明する。なお、ネット上には「福岡市長の反対があった」「条件が合わず物別れになった」とするうわさもあるが、市の担当者はこうしたうわさを明確に否定した。放置自転車問題への懸念は伝えたが、展開を止めるように命じた事実はないという。

 「札幌(後述)の場合、地域のドラッグストアやコンビニエンスストアが駐輪場の一部を

 モバイク向けのポートとして提供する形で話がまとまったようです」(同部)

 あらためてモバイク側に、福岡市内でサービスが開始されていない理由を聞くと「福岡市や関係各社と協議を十分重ねた上で、できる限り早い段階での展開を実現できれば」という回答だった。やはり、ポートの確保をめぐる各方面との「協議」の難航が、福岡での展開が遅れている原因なのだろう。

 ※10月27日追記:福岡市のコメントについて部署名が間違っていました。初出では経済観光文化局企業誘致課としていましたが、正しくは総務企画局企画調整部です。訂正します。

 札幌での「微妙」な普及状況

 こうした「難航」の結果、モバイクが今年8月に日本初のサービスを始めたのは札幌となった。ビジネスコンベンションの「No Maps 2017」が仲立ちとなり、行政や地元企業に働きかけを進めたことで開始が実現したのだ。ローンチイベントは全国メディアで報じられ、東京からわざわざライド体験に来る人も出るほどの盛況だったという。市の担当者は言う。

 「札幌市は先進的取り組みをおこなう企業の誘致を進めており、モバイクとの話が進みました。サービス開始後も、特に市民からの苦情はなく、問題が起きたという話も聞いていません」(札幌市経済観光局ITクリエイティブ産業担当課)

 とはいえ、現時点でのサービス展開地域は札幌駅から北西に1キロほど離れたJR桑園駅-琴似駅の周辺で、札幌駅前やテレビ塔など市内中心部はエリア外になっている。ポートは地場のコンビニであるセイコーマートやドラッグストアのサツドラの駐輪場を用いる形となっている。

 これでも、借りた店舗に車両を返さなければいけない従来のレンタサイクルよりも利便性は高いだろう。だが、エリア的に観光需要は望めず、かといって地域住民にとっても、出発地と目的地の付近にポート設置店舗がなければ、シェアサイクルの本来の利点である「最後の1キロ」の移動ニーズを満たせない。事実、ある札幌市民はこう話す。

 「地域も車両数も現時点では限られていますから、正直なところ、札幌市民の間でモバイクの認知度はまだまだ。進出後のトラブルはほとんど起きていませんが、一方で積極的に使っている人も、あまりいないみたいなんです」

日本市場でのもたつきは中国メディアも指摘