
裾野に雲がかかる富士山。下は山梨県の山中湖=8日【拡大】
だが、入倉博文山梨県世界遺産富士山課長は「吉田ルートの登山者の半分は初心者。狭い山道で無理な追い越しをするなどトラブルが起きている」と打ち明ける。
県が「著しい混雑」の目安にする1日当たりの登山者数は4000人だ。4000人に達すると、山頂付近での間隔は30センチを切り、用具がぶつかる頻度が高まる。日が昇る前の暗がりでは危険性はさらに増す。1人の登山者の転倒が多くを巻き込む可能性も指摘されている。
昨年開山していた72日のうち、4000人を超えたのは5日。国連教育科学文化機関(ユネスコ)も入山者数の適正な管理を求めており、県は「4000人を超える日がないようにしたい」と話す。
ただ、その方法は、インターネットやチラシで、中腹からのご来光見学や混雑日を避けた登山を呼び掛けるにとどめている。「一生に一度、山頂でご来光を見たいという気持ちを、行政が権限を行使してまで否定できない」(入倉課長)ためで、登山者に任せるしかないのが現状だ。