
※写真はイメージです(Getty Images)【拡大】
前出の『FM STATION』についていたカセットレーベルを活用。イラストレーターの鈴木英人氏が描いたカバー絵はたまらなかったが、勝負の際には惜しげもなくこれらを投入した。
持っている音源やレンタルCD、友人から借りた音源などを総動員。曲によってはテープからテープにダビングせざるを得ず、音質はちゃんぽん状態だった。
◆編集にいろいろ知恵を絞った
テープの編集は、頭を使う。テープの残り時間を考慮しつつ、盛り上がりを考えつつ、さらにはA面・B面も意識しつつまとめる。さらには、シングルのバージョンではない、アルバムバージョンを入れるのもポイントだ。もっとも、中には統一感を無視して曲をぶっこむこともある。突然、ユーミンの後に突然、ブルハ(THE BLUE HEARTS)やBOOWYというパターンだ。
通学路や、ドライブ、部屋など、気になる異性に聴いてもらうシチュエーションを考慮するのは当然だ。「愛しているよ」などのフレーズが入っている曲を使って、想いを伝える。
曲の頭文字を拾っていくと「L」「O」「V」「E」になるなどの技はもちろん使う。さらには、テープの最後に、自分の声のメッセージを入れるのは、今思うと、もはや「言葉の暴力」や「嫌がらせ」「愛情の押し売り」とも言える。当時、流行っていた銀色夏生の詩を朗読したり、村上春樹の小説から台詞を引用したり、あるいは溢れんばかりの想いを語るなんて技もある。お手紙はもちろん、同封。曲の解説も書いた。
なぜ、このような「あるある話」をナチュラルに書けるのか? それは、私がすべて、ナチュラルに実践していたことだからだ。きっと、中年読者のみんなもやっていたことだろう。いや、クラスに一人くらいはいるはずだ。