これも時代か…職人版「トキワ荘」が直面する課題 京都あじき路地、15年目の岐路 (1/4ページ)

休日限定でオープンするあじき路地の店の前で立ち止まる観光客ら=京都市東山区
休日限定でオープンするあじき路地の店の前で立ち止まる観光客ら=京都市東山区【拡大】

  • 大家の安食さん(左)が、入居する職人におにぎりを差し入れて語り合うこともある=京都市東山区
  • 住居兼店舗で商品を作る革小物職人の松島健二さん=京都市東山区

 築約110年の京町屋を若手職人に貸し出し、創作活動の場として利用する長屋が並ぶ「あじき路地」(京都市東山区)。イラストレーターや革小物職人、照明器具デザイナーなどが共同生活を送ってきた。一つ屋根の下で切磋琢磨(せっさたくま)しながら作品を生み出す環境は、手塚治虫をはじめ日本を代表する漫画家たちが暮らしたアパート「トキワ荘」を彷彿(ほうふつ)とさせる。オープンから15年目を迎え、知名度も高くなったが、人気の観光スポットならではの課題が浮かび上がってきた。(小川恵理子)

 職住一体の職人長屋

 京都五花街の一つ、宮川町の近くに、奥行き約60メートル、幅約1.5メートルの細い路地に沿って、若手職人らが職住一体の生活を送る2階建ての長屋がある。

 一区画は風呂トイレ付き4LDKで、1階は店舗兼工房、2階は居住スペースだ。これらが10軒連なった長屋で路地は、マンションでいえば共用部にあたる。土日には、週ごとに路地南側の店舗にも織物職人などが出店し、こだわりの品を買い求める観光客でにぎわう。

 現在、長屋で暮らしているのは、それぞれの専門分野の技術を磨く職人の男女計7人。手がけるのは、オーダーメードの帽子▽三味線の製造・修理▽手縫いの革製品▽クッキーの表面に着色した砂糖や卵白を装飾した「アイシングクッキー」-など。週末を中心に作品を販売したり、各地で開かれる手作り市などに出店したりして生計を立てている。

「一生にあるかないかの貴重な経験」