入居希望者も少しずつ減っている。今でも空き屋の入居募集には一定数の応募はあるが、安食さんは「最近は職人同士のシェアハウスも多くなってきたし、わざわざ入居審査の厳しいあじき路地に応募する人も減った」と説明する。
また、応援したいと思った「アーティスト」の存在も少なくなってきたと感じるという。「どこにもないものを自分の感性で作り出す、表現者としてのアーティストがいない。それも時代なんですかね」と寂しそうに話す。
だが、職住一体で職人を応援する先進的な取り組みを進めてきた矜持(きょうじ)もある。「今までのやり方を変えるときがきた」としながらも、あじき路地の運営をやめるつもりはない。「路地は『夢への滑走路』といわれたことがある。ここから始めてステップアップする若者を、見守っているという意味だそうです」と、路地の存在価値を語った。