【ニッポンの議論】運休による混乱や、周知をめぐる課題も 鉄道計画運休、今後の展望は (3/4ページ)

 「正確な予想は困難だ。鉄道は全ての面で安全に力学が働く。例えば、列車は故障すると基本的に動かないようになっている。それと同じで、暴風雨で大きな被害が見込まれるのであれば、結果的に被害が出なくても、事故を防ぐために止める考えは筋が通る」

 --今回の計画運休をどう見たか

 「乗客は駅に行けば正確で早い情報があると認識しがちだが、実際は駅員がリアルタイムに情報を把握できず、インターネット上の情報の方がより早いという声もある。運休時間や対象路線などが鉄道関係者から見ても分かりづらく、利用者による内容の正確な理解につながっていない。情報周知は多様な方法がある。事前にテレビやラジオなどのマスコミや、SNSを通じた告知があるが、駅でも正確な情報が入手できるよう、駅員間の情報共有や、状況を一目で把握できるモニターなどの充実も求められるのではないか」

 --計画運休翌日にも入場規制がかかるなど影響も出た。

 「予想が甘かった。線路の点検は暴風雨の中ではできず、台風の通過後に被害が出る場合もある。今回は『翌日の運休は様子を見て決める』ことになっていたが、確実に混乱が起きる。時間をはっきり決めるべきだ。一定の基準を作り、鉄道各社を一律で運休させた方がよいだろう。乗る側が一番困るのは、運行数が減ったり、遅れが発生したりすることだ。非難を恐れず完全に電車を止めたほうがよい。会社や学校も指示を出しやすく混乱を防げる」

 --運休発表が遅かったとの指摘も

「周知には時間がかかる」