東京商工リサーチ特別レポート

東京五輪後のオフィス・ホテルはこう動く 森グループ創業家の女性社長が予想 (1/5ページ)

東京商工リサーチ

 都心部のオフィス市場が好調だ。大量供給が危惧された新規物件や既存物件も、順調にテナントが決まり、東京五輪やインバウンド効果を背景にしたホテル開発、商業施設なども活発に動いている。東京商工リサーチ(TSR)は、オフィスビルやホテル開発で攻勢を続ける総合デベロッパー、森トラストの伊達美和子社長(森グループ創業家出身で森章前社長の長女)に不動産市況や業界の課題、自社の今後の展望を聞いた。

――首都圏のオフィス事業の近況は?

 「2019年1月の都心部のオフィス空室率は1.78%で、過去最低と言えるほど低い。一方で、18~20年は大量に大規模な開発が計画され、順次竣工した。その中で供給過剰ではないかと言われていたが、19年までの段階で空室率は低く、19年竣工のものはほぼ埋まってきている。20年は我々のリーシングは非常に好調な状態で、他の20年の案件についても動きがそれなりにあるのではないかと思っている。そういう意味ではメディアが報じる通り、この瞬間は好調な状態だ」

――他方で今後を不安視する声も聞かれるが

 「次に何が起きるかというと、企業の移転が起きる。企業がなぜ新しいビルに移転するか。分散していたものを集約するというニーズがあるからだ。この数年、そのニーズに対応できるオフィスビルが供給されたので積極的な移転が起きている。加速する企業の移転は、『追加投資をしてでも会社の環境を良くし、生産性をあげよう』と動いている証と言える。その移転タイミングとうまく合ったので、新規の需要が強い」

 「ただし、移転後には、空き室ビルが出てくる。少し古かったり、大規模でなかったり、駅から少し離れている、といったビルが人気を落とすだろう。テナント移転が一段落したとき、空き室率が多少目立ってくる局面もあるだろう。ただ、過去のトレンドを見ても、建物を所有する側に体力があって、投資した物件の価値を高められることができれば、数年かけて必ず埋まっている。現状に関しては、どこも長引かず埋まっていくと感じている」

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