「復興」にかける思い
90歳を超えたとき、引退を考えたことも。東日本大震災直後、心筋梗塞と肺炎、腸閉塞を同時に起こして入院したが「“生きて”しまったんだよね。目も耳も悪いし、体は相当に傷んでいる。でも、生きている間に、やれることはやると決めた」という。
被災地、仙台の少女から手紙が来た。「私は地震がきても少しも怖くない。アンパンマンが助けに来てくれるから」-。子供の心にアンパンマンは実在する。「幼い俺もサンタクロースがいると信じていて、家に煙突がないから、クリスマス前夜は寒い中、窓を少し開けて寝たんだよ。だから非常に責任を感じちゃってね。なんとかして元気づけなくてはいけないと」
被災地への寄付はもちろん、ポスターやハンカチ、バンダナなどのグッズも送っている。今回の映画も「自分としてはいろいろな思いを込めたが、観客にはとにかく面白く楽しく見てもらえたらいい。最後は“バナナダンス”で楽しくね」と話した。
復興-。この言葉で頭に浮かぶのは、戦後の引き上げの時に通った広島県だ。焼け野原で何もないさまを目の当たりにし、愕然としたのは今もハッキリと覚えている。「本当に何にもなかったんだ。でもね、百年、草も木も生えないといわれていたけど復興したよね。(震災から)神戸も頑張ったよね。俺は今度もできると信じている」