ダニによるアナフィラキシーは海外ではホットケーキが原因のことが多いという。温度と湿度が上がるこれからの季節は、開封後の粉製品は冷蔵庫で保存し、早めに使い切る【拡大】
原田院長は「お好み焼きでの発症が多いのは、お好み焼き粉は小麦粉単体より長期間保存されることが多いのと、魚介エキスやアミノ酸が加えられていることでダニがわきやすいためだろう」と指摘する。
アナフィラキシーなどアレルギー症状が出た人はダニアレルギーで、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などを既往している人がほとんど。中には発症までアレルギー疾患の既往がない人もいた。「ダニアレルギーでない人も繰り返しダニ混入の食品を食べることで、ダニアレルギーとなる可能性があるのかもしれない」と原田院長。
原因となったダニは、コナヒョウヒダニやケナガコナダニなど室内に普通にいる種類で、開封後に袋内に混入し、常温で保存する中で繁殖したとみられる。
食品害虫に詳しい農研機構食品総合研究所(茨城県つくば市)上席研究員の宮ノ下明大さんは「これらのダニは半透明なクリーム色で肉眼で見ただけではなかなか分からない。アレルギーはダニのタンパク質に反応して起こるので、生きているダニだけでなく死骸やフンも原因」と指摘する。