ミャンマーのヤンゴン環状線の電車から見える、1階部分が水没した高床式の住宅。よどんだ水はボウフラの発生源で、蚊が媒介するデング熱などの感染症が心配される(勝田吉彰教授提供)【拡大】
働く人の鬱病が増える中、海外駐在員のメンタル問題が企業の大きな関心事になっている。今後の新たな投資先として注目されているミャンマーは医療体制やインフラの不備、頻発する労使問題などがあり、大きなストレスを抱えたまま仕事を続ける駐在員は少なくない。(平沢裕子)
感染症への不安
2011年に軍事政権から離脱し、民主化が進むミャンマーは人件費の安さや勤勉な国民性、市場としての有望性などから日本企業の注目度が最も高まっている国の一つ。現在の邦人は約500人と少ないが、日本政府がインフラ整備を請け負った工業団地が2年後に開業することもあり、進出を考えている企業は多い。
海外在留邦人のメンタルヘルス問題に詳しい関西福祉大学大学院の勝田吉彰教授は「停電の多さや居住環境の未整備など日本人にとってミャンマーでの生活そのものがストレス要因。ビジネスでの成功のためにも、まず社員の生活面の不安を取り除くことが大事」と指摘する。