マイナス70度で保存されているドナーミルク=東京都品川区の昭和大学病院(平沢裕子撮影)【拡大】
低出生体重児の赤ちゃんは体のさまざまな機能が未熟なため、いろいろな合併症を起こしやすい。特に生後数日から数週間にかけては、慢性肺疾患や未熟児網膜症、壊死(えし)性腸炎などのリスクが高い。母乳にはこれらの病気のリスクを下げる効果があることが欧米などの研究で分かっている。
日本でもかつては「もらい乳」といって、病院内でも母乳が出ない母親に別の母親の母乳を融通することがあった。しかし、HIV(エイズウイルス)など母乳を通して感染する病気があることが分かり、今は粉ミルクの使用が一般的だ。
日本での効果検証
しかし、粉ミルクは母乳に比べて消化が悪く、1500グラム未満の極低出生体重児の赤ちゃんでは壊死性腸炎を発症する原因ともなっている。壊死性腸炎は赤ちゃんにとって命取りになりかねない病気。母乳には腸の粘膜を保護する作用などがあり、壊死性腸炎を予防できる可能性が高いと期待される。