■同じ収入なら同じ負担に
山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大学名誉教授の話「長らく『年金には実質的に課税しない』という考え方があり、高齢者を社会的弱者として配慮してきた。だが、高齢世代と現役世代の所得水準は今や実質的に差がなく、資産保有では高齢者の方が恵まれている。にもかかわらず、税法上の『所得』で見ると、途端に『低所得』の高齢者が増える。原因は、公的年金等控除(120万円)が給与所得控除(65万円)に比べて格段に大きいことによる。これは、高齢者については低所得の基準が底上げされているに等しい。さらに大きな問題は非課税年金の存在で、遺族年金などは所得として全くカウントされていない。こうした取り扱いの差は、住民税非課税世帯を対象にした低所得者支援だけでなく、国民健康保険料の算定や医療保険の高額療養費制度の負担額にも影響しており、現役世代に偏った負担構造になっている。今後は給与でも年金でも同じ収入なら同じ負担を求めるべきだ。非課税年金を課税対象にし、公的年金等控除を給与所得控除並みに下げることで、年齢ではなく負担能力に応じた負担構造にする必要がある」