パルミトレイン酸のこのような性質を実証しようと前田氏らは、健常な成人男女8人を対象に臨床研究を実施。マカダミアナッツオイル10ミリリットル(大さじ2/3杯程度)を使ったボディーマッサージを20分間行い、その後の血中のパルミトレイン酸の濃度を調べた。その結果、1時間後の血中濃度が30~40%増加し、早期の動脈硬化を見る指標の数値も施術前に比べ、14%改善した。
一方で、別の14人を対象に、マカダミアナッツオイルとパルミトレイン酸の含まれていないココナツオイルの2つのグループに分け、さらにグループ内で日を別にしてオイルマッサージの施術を受けた後と受けない状態とで、糖尿病検査で使うブドウ糖水溶液を飲んでもらい、血糖値を測定。すると、マカダミアナッツオイルの施術を受けた場合だけが他に比べ、血糖値が有意に低下した。これは「皮膚からパルミトレイン酸が血中に吸収された」(前田氏)ことを示したものだ。