和食の特徴【拡大】
あり余る料理を提供する本膳料理に対し、「茶の湯」から生まれたのが「懐石」だ。「全部食べ切る」「できたてをその都度、運ぶ」「季節感や祝いの心など言葉にならないメッセージを伝える」などが特徴で、現在の伝統的な和食のルーツとされる。
熊倉さんは「おもてなしでは一の膳、二の膳と続くが、一般的な食事は一の膳だけ。1つの膳に載せるには、ご飯と漬物、お汁1つとお菜(おかず)が限界。しかし、現代は銘銘膳ではないので、一汁三菜でも四菜でもいい」と解説する。
独特の口中調味
さらに和食を特徴づけるのが、断熱性の高い器を用いた食べ方だ。
器の中で混ぜず、器を手に持ち、箸でご飯とおかずを1口ずつ取り、口の中で混ぜ合わせて調味する。おかずの量を調節しながら、味付けを決める食べ方「口中調味」は日本人独特とされる。
興味深いアンケートがある。辻調理師専門学校などが運営する「辻調グループ」が昨年10月、全国の20~60代の男女572人にインターネットで調査したところ、22・7%が「カレーライス」を「和食だと思う」と答えた。